相続~銀行預金は遺産分割の対象にならない?でも・・・

預金などの分割しやすい債権は、相続と同時に法定相続分に従って当然に分割され、
遺産分割の対象とならないとされています。(最高裁判所S29.4.8判決)

ただし、そうすると公平な遺産分割協議ができないことが多いため、相続人全員の合意によって遺産分割の対象として良いと解釈されており、実務においても預金などは遺産分割協議の対象とされているのがほとんどです。

ですので、他の相続人が遺産分割協議に非協力的でこのような同意が得られないときは原則に従って遺産分割の対象とならずに、自己の法定相続分のみ相続することができるとされています。

しかし、多くの金融機関では、相続財産の引き落としや名義変更の手続きをする場合は、

  • 相続人全員の署名押印の書類(念書)
  • 遺産分割協議書
  • 遺言書

のいずれかが求められることから、結局のところ相続人全員と話をしなければならいないことにになっております。

このように、法律の規定と実務(手続き)が噛み合っていないことはままあります。
当事務所は、不動産の名義変更の手続きや銀行での手続きなどの経験から
お客様にアドバイス・提案をさせていただいています。